(これまでの 藤田郁雄の「サバイバル・インベストメント」はこちら。)第1回では弾力的な資産を形成していく必要性の引き合いに、銀行預金に対する一般的なあやまちについて書きましたが、思い込みによる資産運用は時として深刻な問題を引き起こすことになります。このことで私が思い出すのは2005年8月の東京市場。TOPIX(*1)は2004年春からの1年間、1100ポイントと1200ポイントの間を行き交うボックス相場(*2)だったのですが、小泉首相(当時)が郵政解散をほのめかしていた8月に入り、TOPIXは目先の高値1200ポイントを付けます。政局の先行きに不安を感じた私は「いつも通り1100ポイントまで下がるだろう」と根拠の無い予測をたてて、今まで定期購入していた日本株を空売り(*3)してしまいました。その後、TOPIXの推移は総選挙の結果が出る前に1300ポイントを越え、年末には1650ポイントと空売りを始めてから大幅な値上がりとなり、私は大きな損失を被ってしまいます。さて、これは結果論に過ぎないのでしょうか?
「過去の値動きが繰り返される」「政局不安が株価下落に作用する」といった論理的な根拠も無く、ただ思い込みだけで従来の投資計画を変更しているのですから、これは主観に大きく依存した不合理な投資行動に要因があると考えるのが妥当でしょう。資産の弾力性とは、偶然の産物などではなく「客観的な評価と分析」によって形成されていくべきものなのです。
■ 評価と分析の具体的な手法「客観的な評価と分析」には様々な手法が存在していますが、確かな成果(*4)あげている「統計」を用いて、まずはリスクとリターン、異なる金融商品の相互関係を考えていきたいと思います...
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